僕はドイツ発祥の側弯症治療の保存療法である「シュロス法®」や「側弯トレーニング®」により側弯症の方のサポートを行っていますが、まず側弯症について詳しく書いていきたいと思います。
側弯症とは?
側弯症とは、脊柱(背骨)が、ゆがみ(偏位)と捻じれ(回旋)を伴い弯曲した状態で、側弯度合いの角度を示すCobb(コブ)角が10°以上の状態を指します。
広義の意味での側弯では、「機能性側弯症」と「構築性側弯症」に分けられます。
機能性側弯症
機能性側弯症とは、日常生活での姿勢やスポーツなどの運動歴や生活習慣によるものや、脚長差(脚の長さの違い)や股関節の問題などの影響から生じる骨盤の傾きなど、何らかの原因により一時的に生じた側弯の状態のことで、いわゆる二次的な影響による側弯です。側弯を生じさせた原因がある為、その原因を除くと側弯変形は消失します。これを「機能性側弯症」と言います。
正面からのレントゲン画像では、側弯変形がみられますが、背骨自体に回旋(ねじれ)や楔状変形(背骨がくさび形に変形する状態)はみられません。
しかし状態が長期化すると「構築性側弯症」に移行することもあります。
構築性側弯症
構築性側弯症とは、背骨自体に回旋(ねじれ)や楔状変形(背骨がくさび型に変形する状態)がみられ、背骨の変形は一番弯曲している部分(頂椎)で最も大きく変形しています。
またこの「構築性側弯症」の中で原因がまだはっきりしていない側弯症のことを「特発性側弯症」と呼びます。
特発性側弯症
側弯の原因は数多く報告されていますが、そのほとんどは「特発性側弯症」と言われており、様々なタイプの側弯症の中でも8~9割は「特発性側弯症」と言われています。
「特発性側弯症」以外にも、「先天性」のものや、神経線維腫症やマルファン症候群といった「症候性」のものがあります。
さらに「特発性側弯症」は、側弯が見つかった時期によって3つのグループに大別されます。
乳幼児期特発性側弯症
0~3歳で発症したものをいい、発症率は特発性側弯症全体の1%前後で、男の子に多いとされています。
乳幼児期側弯症は、他の年代の側弯症とは異なり、自然寛解が20%~90%にみられることが大きな特徴です。
特に20°以下の側弯は2歳までに自然寛解しやすいといわれています。
学童期特発性側弯症
4歳〜9歳で発症したものをいい、発症率は特発性側弯症全体の12〜21%を占め、6歳以上の男女比では、男:女は1:8から1:10で女の子に多いと言われています。
思春期特発性側弯症
9歳以上で発症したものをいい、思春期を中心に発症します。
身体的な特徴として、華奢(きゃしゃ)、背が高い、女児に多いなど共通の特徴があることが多いと言われています。
思春期側弯症の90%以上は、胸椎(肋骨がついている背骨)では左側に側屈(右凸)し、腰椎(腰にあたる部分)は右側に側屈(左凸)がみられます。
また以上の3つのグループ以外にも、成人側弯症という、骨格の成熟や弯曲が固定した後に発症するものもあります。女性では閉経後、また加齢によるもの、腰痛、すべり症、骨粗鬆症、脊椎不安定症などに伴って起こると言われています。
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